5 秀句 人の一生 

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国の母 生まれた文を抱き歩き


花嫁の みやげは里へ生き菩薩


寝ていても うちわの動く親心


ひょいと立つ 子に家中が立つ


背比べ手をやわらかに下げている


うれしがり座敷を歩く紅緒下駄


糸巻きに可愛いげんこ二つだし


紙びなに相撲取らせる男の子


うつくし過ぎて入れにくい傘


馬子唄に二人ひれ伏す麦の中


鶴折って恋しい方へ投げてみる


母の手を握ってこたつ仕舞われる


ほんのりと娘返事を顔に出し


たらたらとおさらば言わぬ女客


孫どもの荒いあんまが御意にめし


医者衆は辞世をほめて立たれけり


安弔ひの蓮のあけぼの


なきなきも良い方をとる形見分け


   古川柳 選 家守